ここでは「やさしい日本語」講習を導入した事例を紹介します。
ポイント:
・外国人に伝わりやすく日本語を話すコツがわかる
・外国人への伝達ミスを防ぐ
・現場でのコミュニケーションを円滑にする
事例紹介 K社
業種:製造業 事業規模:30人以下
課題
K社は自動車部品を加工する製造業です。5年前から外国人社員を受入れていますが、現場の日本人と外国人の間のコミュニケーションの問題に悩まされていました。外国人社員の日本語はN3レベルで、日常会話に支障は無いはずですが、なかなか思うように意思の疎通ができませんでした。特に、機械の故障などの問題は、朝礼の時に共有する必要がある為、外国人社員から報告が無い時は困りました。
しかし、「やさしい日本語」という概念を知り、日本人の伝え方にも問題があるということに気づきました。
製造畑の日本人は理系の人が多く、日ごろからしゃべるのが得意ではありません。難しい専門用語を並べてみたり、日本人でも聞き取れないほど早口であったりしました。相手が理解できるように心がけて話している人が少なかったのです。また、K社は地方にあったため、日本人社員の方言が強く、外国人は理解しづらかったのです。
作業の指示が聞き取れない。掲示物や印刷物は漢字ばかりで読めない。これでは外国人社員が正確に仕事を遂行するのは難しいです。
日本人向け「やさしい日本語」セミナーの導入
K社は、日本人社員が学ぶために、「やさしい日本語」のセミナーを実施しました。「やさしい日本語」とは、普通の日本語よりも簡単で、外国人にもわかりやすく言い換えた日本語のことです。(詳細は、このe-Learningの『「やさしい日本語」を使って外国人を戦力化しよう』をご視聴ください。)
日本人が外国人に聞き取りやすい日本語を話すことで、外国人の理解度が上がり、ミスを防ぐことができます。外国人の上司にあたる日本人社員を集め、90分間程度の講座の中で、外国人に伝わりやすい日本語の話し方(ハサミの法則…はっきり言う・最後まで言う・みじかく言う)を学んでもらいました。翻訳アプリの活用方法なども学びました。
導入後の変化
以前は外国人社員に対し、「日本語が全然できない」とレッテルを貼っていた社員ですが、自分たちの話し方がわかりにくかったのだという事実に気付きました。そして外国人が伝わる「やさしい日本語」を話そうと努力をするようになりました。
外国人社員も、指示が分かりやすくなったと変化を感じました。